筋肉硬度計の自作(Maker Faire Tokyo 2022出展内容)
目的
身体の疲労や肩こりなど、筋肉の様子を体調管理のために知りたかったのですが、簡便な測定器が身近になかったため、作りました。体重計や血圧計、体温計の様に日常的に使えるものが目標です。
方法
筋肉の様子を知る方法として血中の乳酸濃度や筋電による筋肉活動量の測定などがあります。
しかし、日頃の肉体疲労など、運動後の日常で測定したい場合は上記の方法では行うことは出来ません。
そこで、一般的に「筋肉が硬い」「柔らかい筋肉」などの、経験則による筋肉の硬さを疲労度として採用することとしました。
筋肉の硬さを測定する機器として、類似の製品として、市販されている機械式の物として、下記の製品があります。
こちらは整体院などに向けた、プロ仕様となっており家庭用機器としては難があります。
…そもそも高いし。
作ったもの
圧力センサーとバネ+変位センサー(スライド抵抗)で筋肉の弾性を測定しようとしました。
先端の形状や長さを変えられるように中の入れ子はジョイント方式です。
バネの描画がないので中空ですが、バネが中に入り、下部のセンサーを押す台座でセンサー面を押します。
バネの選定は悩みましたが、7kgf程度のバネにしました(結果としてちょっと強すぎた)
結果
測定結果はでました。ですが、ここから数値情報に変換する必要があります。そこは未達です。
MFT2022で展示していたのは横軸がストローク、縦軸が圧力センサー値となります。
注意点として、今回使った圧力センサーは出力が対数的に出ます。しかも圧が加わると抵抗値が下がります。
電子秤などを使って校正して、実重と合わせてグラフ化したほうが分かりやすいかと思います。
つぎにやること
上記にあるように、圧力センサー値の校正及び、硬質と軟質の差が分かりやすくなるバネの選定、そして最終的に圧力及び変位からの相互差が分かりやすくなるための数値化(単位の定義及び命名!!)が残っています。
圧力センサー
感度について、現地では「あと一桁精度が欲しい」と言ってましたが、下記のバネ強さの見直しと、滑りを良くしたら十分かもしれません。今後の課題です。
バネ強さ
これはデータを取り出して気がついたのですが、バネが強すぎました。筋肉がだいぶ潰れてからバネがやっと縮むぐらいなので、詳しいデータが取れません。
現在使っているバネは7kgfのもの(自由長さ38mm、ストローク24mm)これの半分以下で良いかと思います。
滑りについて
3Dプリンタ同士のシリンダ構造で、そこそこの隙間で作れてしまったため、気がつくのが遅れましたが、壁とスライダの引っかかりノイズがデータにバッチリ入ってしまいます。これは良くないですので、磨くかグリスをつかうか、もう少しなんとかしたいところです。
人体以外への応用
あと、現地で意見を頂いたのですが、食肉の硬さを調べる機材として使えるかも…とのこと。
調理前、調理後、どちらでも面白く使えそうです。これも今後の課題にしたいです。